読んだ本、キンドル導入

一番最近のものから思い出す。
ゆっくりできるかと思ったけれど、意外に気が急いて読めない。
少しずつかじるような感じで。

これを読んだあと『富士日記』を読み返している。やっぱり『富士日記』とか『犬が星見た』とか文庫の最後についている解説文をそろそろ取り替えた方が良いのではないかなと思う。もっといいのは旧解説も残して、新解説は旧解説にも言及するという方法。
ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

オール・クリア 1(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

オール・クリア 1(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

オール・クリア2 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

オール・クリア2 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

『ブラックアウト』と『オールクリア』は続きもの。家にキンドルが導入されたところで、キンドル版も出ていたので迷ったのだけれど、ハヤカワポケットミステリは手への収まり具合などが好きなので『ブラックアウト』は紙で買ってみた。ら、異常に厚くて読みづらく洗濯バサミで留めながらの読書となってしまった。ということで残り2冊はキンドル版。
いま家の本を処分中ということもあって、今後はマンガ・小説・新書・雑誌の類で電子版があるものは電子版で!ということにする。でも案外電子版があるものって少ないのだよなあ。それとマンガが紙の本より1〜数巻分遅れて出るというのもストレス(小説はたいてい1冊で収まるから良いのだけれど、マンガは物語の途中で待ちながらなので)。そのほかの問題点としては、物が増えるというプレッシャーから解放される・安い(場合によっては700円が250円とか)という理由で、今まで以上に気軽に買ってしまうところか。雑誌はキンドルじゃないアプリを別に使ってPCやタブレットで見てみている。
さて、中身。研究対象とする歴史時代にタイムトラベルして観察するという手法の歴史学のオクスフォードの学生たちの話。この作者の永年の人気シリーズなのだそう。トラベラーがそこにいることによって歴史が変わってしまうような場所(など)には行くことができない(ルールとしてではなく、現象として)ので、有名な人は遠くからチラリと見るとかそういう程度の接触。今回の舞台は第二次世界大戦下のイギリス(おもに空襲下のロンドン)。デパートの売り子とか荘園主の屋敷のメイドとか、新聞記者とか。アガサ・クリスティーもほんの少しチラリと出てくる。会うべき人、たどりつくべき地点になかなかたどりつかない、ひっぱるひっぱる!第二次世界大戦の欧州戦線についてろくに頭に入っていないうえに、しょっちゅう視点が切り替わり、それが誰だか分からない語り手の章もしばしばさしはさまれ、で、なかなか読むのは大変でした。でも「歴史上何が起こったか」よりは「そこに生きたひとがどんな実感を持っていたか」に興味がある人にはとても面白いと思う。空襲の避難場所が地下鉄の駅だったり、女の人が自動車をガンガン運転して負傷者救護に当たっていたりしたのが印象的だった*1。物語の進行につれて、過去のシーンの意味がどんどん書き換えられていくという感覚も面白かった。
しかし戦勝国の人というのは、自国が勝つ/勝ったということに対してかなり素直なんだなあ。そりゃあ自分のせいで勝っていたものが負けてしまうことになっては困るのだけれど。
つらつらわらじ(5)<完> (モーニング KC)

つらつらわらじ(5)<完> (モーニング KC)

紙で買ってきたシリーズだけれど、キンドル版で(これは紙と同じ頃に出たのかな)。完。

*1:東京の地下鉄の駅も避難場所だったりしたのだろうか→Wikipediaによれば水道管破裂で水没して使えなかったそう。大阪の御堂筋線は避難場所として機能したらしい。