新潟いろいろ

豪農の館 北方文化博物館(新潟市
http://www.hoppou-bunka.com/museum_gou.html
夏に行った。戦後いちばん最初にできた私立(財団)の博物館として授業で習った気がする。文字通り、豪農の家。戦前は全国指折りの富豪だった伊藤家の邸を公開している。ものすごい。奉公人が60人、うち40人が住み込み(たしか)というような規模。会社だなー、これは会社だなーとずっと言っていたような気がする。考古遺物コーナーもあったりなど。よくお城でもこういうコーナーがある。これはどういう文脈なんだろうなあ。今もご子孫が経営しているようだ。一番広い座敷には松本楓湖、滝和亭などの額などがかかっていた。絵の特集展示室には竹内栖鳳など。ここがあるからか、あるいは「豪農」が多いからか、新潟には公開されている「お屋敷」が多いみたい。
・「山口晃展」新潟市美術館 2013年7月27日〜9月29日
横浜でやっていたやつの巡回かな。五木寛之親鸞』の新聞連載の挿絵、楽しそうだなー(五木寛之は寛大だなー)。
・コレクション展2「ニッポン・画はどこにある」新潟市美術館 2013年7月5日(金)〜09月23日(月)
コレクション企画。「日本画」の特徴を挙げつつ、それにあてはまる「日本画」と同じ特徴を具えたように見える非日本画を並べるというちょっとひねりの利いた企画。一部そうかなーと思うところもあったけれど、面白かった。
・コレクション展「尾竹三兄弟展」新潟県立近代美術館 2013年 8月22日(木)〜10月20日(日)
明治の日本画家で横山大観らと対抗・対立して結局敗けてしまったという語られ方をする三兄弟。尾竹越堂・竹坡・国観。ご遺族からの寄贈がだいぶあったみたい。長兄の越堂の娘が尾竹一枝すなわち紅吉で青鞜平塚らいてうと恋仲になって、のち富本憲吉と結婚した人。戦後は暮らしの手帖にも連載を持っていたみたい。たしか一枝は東京の竹堂のところで下宿して最初は画家として活動していたんじゃなかったかな。
さて兄弟、対立したとはいえやっぱり画風・画題の展開は同じ方向に行くみたい。大正期の新南画風(越堂「渡し」)とか、下村観山(大観の盟友)っぽい、すごくきれいな発色の絵具で描く繊細な仏画的人物画とか(竹坡「大地円」。すばらしかった)。この展示には出ていなかった竹坡の未来派っぽい絵(「太陽の熱」ほか、宮城県美術館所蔵)はどういう流れで出てきたのだろうか。国観はやや古めかしい歴史画路線を守ったのかしら?通覧する展覧会を見てみたいなあ。一枝を主人公にした朝ドラも見てみたい。