美術

美術館でお買いもの

・「修復された一高歴史画」東京大学駒場博物館、12月15日〜26日 数は少ないけれど「歴史画」の大きい絵がきれいになって出ていた。とはいえいわゆる明治の「歴史画」然としたものは観山のぐらいで、その他は歴史主題ではあっても、枠組みが古い感じがした。…

生誕140年記念 下村観山展

横山美術館、2013年12月7日〜2014年2月11日 久しぶりに横浜美術館に行ったら、みなとみらい駅の真上=美術館の真正面にお買いものビルが出来ていた。やったー。レストランフロアもあったので行ってみたら混んでいた。 横山大観*1の盟友ながら、なかなか単独…

新潟いろいろ

・豪農の館 北方文化博物館(新潟市) http://www.hoppou-bunka.com/museum_gou.html 夏に行った。戦後いちばん最初にできた私立(財団)の博物館として授業で習った気がする。文字通り、豪農の家。戦前は全国指折りの富豪だった伊藤家の邸を公開している。…

谷文晁展

サントリー美術館、7月3日〜8月25日 出先仕事の帰り、夜間開館へ。相変わらずふわふわと見る。 江戸時代後期の関東の、あるジャンルの画(中国っぽい作風)の頂点に立って、渡辺崋山など膨大な数の門人(画をやるなら一度は文晁の門を潜っておけ?)が出入り…

漱石と美術世界

東京芸術大学大学美術館、5月15日〜7月7日。これから静岡県美(あ、もう始まってる)。 やればいいのに!イギリスの美術館の人に納得してもらうの大変そうだけどな!と勝手に思っていた企画がやっと来た。のだけれどなんだか集中できない。ふわふわしながら…

最近みたもの

・貴婦人と一角獣 国立新美術館、7月15日まで 元気になったら一角獣を見に行こう、と思いながら寝床で芸術新潮を見ていたので、行けてよかった。混んではいなかった。パリなんていついけるか分からないんだし。あの赤。あの千の花の模様。暗い講義室の中に浮…

特集陳列 江戸時代が見た中国絵画

東京国立博物館本館特1・2室、5月14日(火) 〜 6月16日(日) 体調の都合で2か月ぶりの上京!わあああい。上野公園に並んでいる展覧会の告知看板を眺めて全部見なくてはいけない気になるけれど、今日は1個だけ。 本館の大きな階段を昇ってすぐ脇の部屋では…

会田誠展:天才でごめんなさい

森美術館、2012年11月17日(土)〜2013年3月31日(日) 「なにけ、この人天才なんけ?」という恐るべきご下問が上司ドノからあって、しどろもどろに「あ、あの、すごく才能があって賢い人なんですが、自分で頭から天才だと信じ込んでいるタイプではないと思…

東京国立博物館「王羲之展」1月22日(火)〜3月3日(日)

高校の書道の時間に蘭亭序の臨書をさせられて、もちろんそれは惨憺たる結果に終わったのだけれど、その時に王羲之は「書聖」といわれているということと、だけど直筆は一点も残っていない、昔の人々が作った複製だけが残っている、という話を聞いて、ナンダ…

江戸東京博物館「尾張徳川家の至宝」1月2日(水)〜2月24日(日)

昔見てこれ好きだわと思った黄天目が出ていた。ケースが黄色で台無しーと思ったけれど、表面がラスターといって虹色にぎらぎらしているんだなあ。気づかなかった。竹の子の絵の志野茶碗、意外に薄い。 土佐光起の厳島塩釜図屏風、やまと絵の人が漢画風の山水…

千葉市美術館「文人画再発見」1月4日(金)〜2月11日(月祝)

個人コレクションを中心に構成された展覧会。そういえば去年の同じ頃やっぱり嬉遊会コレクションを見たな。渡辺崋山の田園の連作とか梅とか良かったなあ。今回も崋山が出ている。顔の下絵。5枚あって、順番が書いてあるけど、あれは誰が何のために書いたの…

美術にぶるっ

東京国立近代美術館 こちらもリニューアル。小部屋が増えた。まだいいのかどうか分からない。眺めの良い部屋(という名前の部屋が出来た)でおじいさんがコンビニ弁当中。あれあれ。お気持ちはとてもわかりますが。 川合玉堂「行く春」。これ長瀞の絵だなあ。…

我ら明清親衛隊

板橋区立美術館、12月1日〜1月6日 中国明代清代の画風を摂取して江戸時代に描かれた絵を集めた展覧会。親衛隊というからには熱狂的な感じだったのだろうか。なんとなく昔の教科書的には無かったことにされがちなテイストのものたちが集まっている気がした。…

東洋館リニューアル

実家からの帰途、ガラガラとキャリーバッグを引きながらさっそく新装オープンの東京国立博物館東洋館へ。なんかものすごく変わっているかと思ったけれど、私がいつもいくところはいつものところにあって、ケースと照明が全部取り替わったかなという感じだっ…

柴田是真展

根津美術館、12月16日まで 江戸と近代を生きた漆の人。絵と漆の両方(この二つは一応別ジャンルと認識していたという考えでよいのだよね)をやった人。変わり塗の達人で、漆には見えないとか違うものに見えるとかそういう技を駆使するなどした人。受容する側…

濱田が出逢った魅惑の近代

益子陶芸美術館(栃木県)、 9月15日(土)〜12月2日(日) 濱田庄司という益子とか民芸とかを象徴する陶芸家の顔がどーんとアップで刷られたポスターに気を呑まれてつい行ってしまった。入ったらいきなり岡本太郎の「座ることを拒否する椅子」が置いてあっ…

近代の女性南画家 奥原晴湖・跡見花蹊・野口小蘋

小山市立車屋美術館(栃木県)、11月23日(金)〜1月14日(日) 奥原晴湖・跡見花蹊・野口小蘋という明治時代に「南画」ジャンルで活動した(超人気作家だったり宮廷画家だったりした)女性画家3人を並べた展覧会。マニアックだなー。床も壁も真っ白い部屋に靴…

小江戸川越江戸絵画

川越市立美術館、11月16日(火)〜12月16日(日) なんか呪文みたいだなーコエドカワゴエエドカイガ…と思いながら電車で川越。駅からバス。バス停からまた歩く。寒い! 川越はこの美術館のためにもう何度か来ているのだけれど、美術館ができるまでは私の中では「…

船田玉樹展 創造の森へ

ヒルサイドフォーラム(代官山)、11月21日〜12月9日 とおりかかったらやっていたのでさくっと見る。大作はだいたい今春の練馬区美に出ていたものかな。立てまわされた屏風の間を抜けるような演出とかも良い感じでした。アトリエ再現もあり、ものすごく分厚…

維新の洋画家 川村清雄

江戸東京博物館、10月8日(月祝)〜12月2日(日) おもしろかった。画家の展覧会なのだけれど、むしろ歴史展示。どんな家か(祖父は大坂・長崎奉行もつとめてたという)、10代で明治維新を迎えて(1952生まれ)、ヴェネチアでどんな風に絵を学んだか。昭和の…

中国絵画―住友コレクションの白眉

泉屋博古館、10月13日(土)〜12月16日(日) 住友財閥の当主2代が明治から昭和期にかけて収集した中国絵画。 最初の漸江(明末清初の画家)の2つの巻子(特に若い方)にいきなりやられてしまう。乾いた墨の線の重なり。岸辺で水から露出している土を描い…

千住博美術館

そうそう軽井沢に去年だったかに開館したのでした。いま元気のいい建築家が設計した建物。うわー。現存作家だからこそできる空間かもー。と、鵜の目鷹の目で観ました。床がゆるやかな坂になっているとか、面白いのよ。植栽も珍しいものがいっぱい。手入れも…

この秋見たものいろいろ

見たり読んだり出かけたりしているうちに日々はどんどん過ぎてしまう。何を見ながら何を思ったか、どんどん忘れてしまう。 ・「お伽草子―この国は物語にあふれている」サントリー美術館、9月19日(水)〜11月4日(日) 『いまは昔、むかしは今』というシリー…

さっそく色々出かけた

(いくつかは改めて感想を書けるといいけれど、とりあえず) ・「二条城展」江戸東京博物館 行列の絵がいろいろあって面白かったです。屏風に行列だけを描くとどうなるか。そうなるか…。 ・「中国の白いやきもの」出光美術館 一見単なる色テーマと見えますが…

いちばん最近見たのはこれ。

・「吉川霊華展」6月12日〜7月29日 東京国立近代美術館、7月29日まで 大好きなレイカの展覧会。明治時代の絵からレイカになった瞬間に胸躍らせたり風に吹かれる線にうっとりしたり。「白描の人」だけれど色もきれいだって言ってほしいなあ。 白描ってこの世…

見た

府中市美術館「三都画家くらべ」 毎度おなじみの芸風。長谷川雪堤、また頼まれて庭を描いてる。大坂画壇の絵を浴びるように見たいなあ。18世紀から戦前というスパンで三都を見てみたいなあ。来年は「かわいい日本美術」だそうです。 ・ボストン美術館 日本…

描くに似た何か

ジャクソン・ポロック展、東京国立近代美術館、2月10日〜5月6日 陶芸家の孫である人が「うちのじいさんポロックが好きで…」と言っていたような気がするので行ってみた。お客さんのお洋服が全体的におしゃれでした。 本展の目玉である「インディアンレッドの…

肖像画の魅力ー歴史を見つめた眼差し

茨城県立歴史館、2月11日〜3月20日 こんな地味な時期にどうしてこんな凄いモノたちが?といぶかしみながら水戸へ。着いてからああ偕楽園の梅の時期だったと気づく。4年ぐらい前にも安田ゆき彦展を近代美術館に見に来たのでした。その時は梅には遅かったっけ…

うれしくあそぶ

「新寄贈・寄託品展」千葉市美術館、2月4日〜26日 2フロアを使った展示で、下のフロアが「嬉遊会コレクション展」。嬉遊会とは、県内に住む江戸時代(など)の書画を好きで集めている人たちが何人かいて、この美術館の館長さんに頼んでつけてもらったものだ…

北京故宮博物院展もう一回

結局もう一回見に行ったのでした。混んでいたし後ろに約束もあったので、前回見た絵だけをもう一度。ひろひろとたなびく水の線、柳の陰の舟。 あそこに出ていたマキモノの絵の前後には(場合によっては絵の中に)たいてい歴代の閲覧者が絵に詩や文をつける。…