落ちる雁、画家と菓子

お客さんに出すお菓子を買いに近所の和菓子屋へ行った。
・ケースの上の期間限定コーナーに「花菓子」という札のついている、薄紙に包まれて中身の見えないものがあっって、これなんですか?と聞くと、お彼岸にお仏壇にお供えするものです、との答え。ありゃ私、モノシラズだわ(実家に仏壇というものが無く、お彼岸という行事にあまり親しみを感じない)。そういう抹香臭いものをお客さんに出すわけにはいかないので、ふつうのを買ったけれど、ためしにその花菓子も追加してみた。写真はうまく撮れていないけれど、なかなかきれいだ。
でも、これってあのパサパサのアレだよなあ…と食べてみたらやっぱりアレでした。ネットで調べてみたら、これも落雁の一種なのか。お茶席用とかの小さいおいしい方のやつにもかなり落差があると思うけれど、この大きい方の美味しくなさは食品として相当ギリギリだ。
ところで「落雁」の名の由来は画題の「平沙落雁」からという説があるそう。干潟に雁の群れが着地・着水する様子をかなり引きで描く画題なのだけれど、「落」と書くからには雁の着水ってストーンと落ちるような感じなのかしら?(それこそwikipediaの雁の項に出ている若冲の雁の絵みたいに)と思って動画を探してみたら、そうでもなかった。わりとふつうだった。
http://www.youtube.com/watch?v=_qDOGyS_hWM
雁は見たことがない気がするのでいちど見てみたい。新潟で雁の一種のヒシクイの模型を見たけれど、かなり大きかったな。
・なかなか用がない羊羹コーナーをふと見ると、地元出身で有名になった昔の画家の名前のついたものがあった。買わなかったけど。そういえば隣町にもその町出身の昔の画家にちなむ菓子がある。私の会社のある町にも有名な昔の画家はいるのだけれど、菓子は無いなあ。…旅先で和菓子屋に飛び込んで、画家とか絵とか文学者にちなむ菓子があったら買って食べてみるのも楽しいかも。とりあえずはわが町の羊羹からチャレンジだな。